車道楽の頂点は、クラッシックカーを所有することかもしれません。
スーパーカーやスポーツカーの所有を経て、最後に辿り着くゴール地点でしょうか。
世界一美しいレースと呼ばれているイタリアのクラシックカーレース ”ミッレミリア” は1927年から1957年の間に製造されたスポーツカーで2000kmを走破し競います。
日本からも堺正章さんが出場してましたよね。
残念ながら、大前提としてお金持ちでないとお呼びでない世界です。
一般人が楽しみとして、古い車を所有できるのは、いわゆるクラシックカーの次世代ネオクラシックーと呼ばれる車です。
今回は、ネオクラシックカーのお話です。
私は20年ほど前に最初にネオクラシックカー(大衆車)を所有しました。
1968年製の初代日産ローレル、510型ブルーバードの兄弟車です。
お客様が新車から所有していた車をいただきました。
車体はブラウン色
シートは黒色のビニール製
流線ウインカーで方向指示を出すとテールランプが流れて点灯していました。
街中で乗っていると、頻繁に「昔乗っていたよ」なんて声をかけられました。
一度、信号待ちで停まっていると、反対車線に停まった明らかに反社的なおじさまが叫んでいるので、恐々と窓を開けると「いい車乗ってるねーオレも乗ってたよ、懐かしいねー」と叫ばれた思い出があります。
次に所有したのは1971年製のメルセデスベンツW113型SL。
縦目のベンツです。
アメリカから輸入された車でしたが、とにかく故障ばかり(笑)
いつ止まるのかビクビクしながら、マフラーは落ちるは、幌は閉まらないわ、オイルは漏れるはで、最後までオイル漏れは治りませんでした。
乗っていた時間より工場に入っている時間の方が多かったくらいですが、さすがベンツ様!
部品は純正品を含めて、比較的容易に手に入りました。
そんな故障ばかりの車でしたが、乗っている時は、鼻高々でした。
隣に最新のSLが停まろうが、フェラーリが停まろうが、「苦労込みでこの車に乗れる?」ってイキリ倒していました。
心配で辛かった思い出も、手放すといい思い出しか残りません。
また所有したいと思うから依存症というか、ほぼ病気です。
そして、今度はもう少し新しいベンツが欲しくなり、1992年製のW124型のセダンを所有しました。
この車もワンオーナーで大切に乗られ、ETC装置もついていないド・ノーマルな車でした。
あまりにもノーマルすぎて、なぜかタクシーに間違われて道端で手を挙げられたことも度々ありました(笑)
日常的に使用できて、満足していたのですが、ある日を境に突然止まるようになりました。
調べても原因がわからず、頻繁に止まるようになったので、手放しました。
しばらく病も発症しなかったのですが、4年ほど前、知り合いのアウディディラーの営業担当者から、「2000年製の初代TTロードスターを所有している人から、大切に引き継いてくれる人を探している」と連絡がありました。
そんな話を聞いたら、ひとたまりもありません。
すぐに見に行って、即決してしまいました。
今、TTロードスターは、ガレージで埃がかぶっています。
燃料噴射装置エアマスメーターの故障で動かせません。
アウディのディーラーで整備をお願いしていたのですが、部品を製造していなく、ディーラーでは修理ができない。
純正品ではなくOEM部品を探して、ディーラー以外の工場で修理しなくてはならない。
先日、OEM部品が見つかり、工場での修理待ちです。
ベンツに比べてアウディのネオクラシックカーは維持が大変です。
いつ壊れるのかビクビクしながら乗って、壊れてしまったら「やっぱり止まったか」とレッカー車の手配をする。
実際に誰も同乗したがりません(笑)
そんな苦労をするのに、なぜ古い車に魅かれるのでしょうか。
自分でもよくわからないのですが、確かなことは、車を単に移動やアウトドアなどの趣味のための道具と見ていません。
これも、確かなことですが、安全性、燃費を含めて古い車が新しい車に優る点はありません。
それでも、乗りたくなってしまう。
所有して、乗っている自分に酔っているだけかもしれません。
結局、ロマンということでしょうか…
なんのロマンだかわかりませんが。